パパは先月に続いて、またもサンフランシスコに出張することになりました。今度は日曜日に出かけて土曜日に帰ってくるという日程なので、休日がないため観光なんて全然できないかもしれません。
「それでも行きたい子はいますか？」「はーい！」
まだ海外に行ったことがないメラニーちゃんが連れて行ってもらえることになりました。メラニーちゃんは左手に旅行カバンを持っているので、いつでもスタンバイＯＫです(笑)。
前回はベイブリッジが見えるホテルでしたが、今回はダウンタウンのど真ん中。ちなみに、窓から見えている旗は現在の星条旗ではなく、独立当時（１３州）の国旗のようです。
パパが外国に出張に来て最初にすることは、近くに安くて気軽なお店（ファストフードとかコンビニとか）がないか探し回ることなのですが、この日はなかなか見つかりませんでした。空港にはお昼前に着いたのに、パパもメラニーちゃんもおなかがペコペコ。
仕方ないので、やっと見つけたセブンイレブンでホットドッグを買いました。ソーセージはあったかくてぶっといのはいいんだけど、ちょっと塩辛かったです。
次の日からパパはお勉強の毎日。メラニーちゃんはホテルでお留守番です。何とかホテルの近くに中華のテイクアウトのお店を見つけたので、どちらかと言うとパン食は苦手なパパは毎晩中華になっちゃいました(笑)。
水曜日あたりになるとさすがに退屈してきたので、お出かけをおねだりするメラニーちゃん。近くのショッピングセンターに一緒に行きました。
そしたら……サンリオのキャラクターショップがあったのです。お店の中はキティちゃんだらけ！ ブルーナショップはどこにもないのにー！(^_^;)
そして、中華にも飽きてきたので、この日はちいミッフィーちゃんも行った「タッズステーキ」に連れて行ってあげました。太るので今回はケーキはなし！…ったって、こんな大きなお肉を食べてたら同じだよねー。
木曜日は、ホテルのすぐ近くの日本料理のお店で天丼。やっぱりアメリカの天ぷらって、ブロッコリーとかズッキーニが入ってるんですね。プロヴィデンスに行った時とおんなじでした。
サンフランシスコなどの西海岸は１年中いいお天気みたいですが、冬だけはけっこう雨が降るそうです。１２月に来た時はずっと晴れてましたが、今回は月曜からよく雨が降っててすっきりしないお天気でした。
でも、金曜日にはようやく快晴が戻ってきました。パパのお仕事がお昼までで片付いて、やっと半日だけ自由時間がもらえたので、ちょっとお出かけしてみることにしました。
どこに行くかというと…実はパパは吉野家の牛丼が大好きなのですが、例のＢＳＥ騒ぎのため日本では去年から全然食べられなくなっていますよね。でも、アメリカの吉野家では当然、今でもアメリカ産牛肉を使った普通の牛丼が出されています。
そこで、ぜひこの機会に懐かしい牛丼を食べておきたい！とずっと思っていたのでした。
ところが調べてみると、サンフランシスコ市内にあった吉野家は、最近閉店してしまって１軒もないとのこと。ロサンゼルスにはたくさんあるのですが、サンフランシスコの近郊となると、サンノゼの方にまで行かないと無いことがわかりました。
そこで、「カルトレイン」という二階建ての列車に１時間ほど乗って、サンタクララ市という所にまで出かけていったのでした。
まずは、サンフランシスコ国際空港から市内に来る時にも乗った「バート」という地下鉄に乗って、終点の「ミルブレー」駅へ。昼下がりは通勤客もいないので、車内はガラガラでした。
そして、ミルブレー駅で「カルトレイン」に乗り換えます。パパがアメリカに来たのはこれで５回目ですが、市内を走る路面電車とか高速鉄道じゃなくてまともに旅をする感じの列車に乗るのはこれが初めて。
一番驚いたのは、ホームと駅の外に仕切りがない（つまり、改札もない）ことでした。ほら、ホームのすぐ脇にタクシー乗り場が続いているのがわかりますか？
つまり、切符を買わなくても乗れちゃうのです。もっとも、ちゃんと車掌さんが検札に回ってきますけどね。
１時間ほどの旅をして、パパとメラニーちゃんはサンタクララ駅に着きました。ここからさらに遠足です(笑)。昨日買ったばかりのサンノゼ界隈の地図と、吉野家USAのサイトで調べた住所だけを頼りに、大きな通りをずっと歩きます。
さっきまで雨が降っていたらしく、今も太陽は出ているものの、まだちょっと雨がぱらついています。たまたまそういう天気だったもんで、ふと後ろを振り返ってみると、珍しく虹が出ていました。もちろんメラニーちゃんは見るのは初めてです。
通りを延々と歩きます。サンフランシスコ市内では見かけなかったケンタッキーフライドチキンがあったり、あとタトゥーを入れる店らしいのまでありました！ そしてこの建物はサンタクララ警察署です。なんか南国らしくていい雰囲気ですね。
このお宅の庭には、レモンの木がありました。日本の住宅の庭にもミカンとかキンカンはよく見かけますが、レモンが実際に木に成っているのを見るのは初めてで、パパはしばらく見とれていました。
歩くこと３０分、やっと吉野家につきました。メニューはさすがに日本とけっこう違ってて、お味噌汁がない代わりにクラムチャウダー！ さらにデザートとしてケーキ類も充実しております(笑)。
パパは牛丼だけ食べられれば十分なのですが、せっかく来たので、ここ独自のメニューもいろいろオーダーしてみることにしました。ケーキは無難にチーズケーキ（他の甘ったるいケーキと違って、これはかなり美味しかったです）、あと水とかは出ないので、ファーストフードらしくペプシコーラを注文。うっかりサイズを「スモール」って言うのを忘れてしまったので、とんでもない量のカップで来てしまいました。
そしてメインは「コンボ・ボウル」です。普通の牛丼は「ビーフ・ボウル」ですが、これはつまり組み合わせ丼って感じで、３分の１は牛丼、３分の１はチキンの照り焼き、そして真ん中はキャベツやニンジン、ブロッコリーなど野菜がどっさり乗っています。
コンボ・ボウルだけ拡大してみましょう。どうですか？この迫力！(笑) ちなみに、牛丼の部分については日本で食べていたのと全く同じ味で、パパは大感激でした。
お店を出るまでは満足していたのですが、出たとたんに後悔していました。「やっぱり、普通に『ビーフボウルのラージ』にしておけばよかったな…」だって(^_^;)。
長々と旅をしてきたので、牛丼を食べ終わってお店を出た時にはもう夕方の４時。やっとお昼ごはんを食べることができてほっとしたメラニーちゃんは、カバンの中ですやすや…
ところがパパは、この後が大変だったのです。サンタクララ駅に戻ってきたら列車が発車する直前だったので慌てて飛び乗ったんですが、それはサンフランシスコ行きのカルトレインではなく、全然違う方向に連れていかれてしまったのです！ 仕方なく１０分ほど後に着いた最初の駅で降りたのですが、すぐにサンタクララに戻りたいのに、逆方向の列車が全然来ません…。
３０分、１時間、２時間……あたりはだんだん暗くなり、そしてとうとうどしゃ降りの雨まで（そのおかげで、またきれいな虹も見ることができましたけどね）。
この駅というのがミルブレー駅と同じく改札も何もないところで、しかもいわゆる無人駅で駅員さんとかは誰もいません。そして時刻表すら見当たらないので、いつになったら列車が来るのか全くわからず、パパはただひたすら遠くを見て列車を待ち続けるしかどうしようもありませんでした。
このままホテルに戻れなかったらどうしよう、明日はもう帰国なのに…とパパは泣きたい気分でしたが、すっかり暗くなってからようやく駅に来た近所の人に、ちょっと歩いたところにある別の路面電車を使ってサンノゼの方に戻る手段を教えてもらって、やっとまたカルトレインに乗ってサンフランシスコに戻ってくることができました。
ホテルに着いたのは夜の１０時。結局４時間も回り道をしてしまって、パパはくたくたでした。でもメラニーちゃんは、何も知らずにずーっとパパのカバンの中で眠りこけていました(^_^;)。
日本に帰って来たメラニーちゃんは、さっそくみんなにおみやげを出してあげました。あまりお店を回る時間とかなかったので、買ってきたのはチョコレートばっかりです。でもみんなは嬉しそうでした。
（おしまい）
追記そのすぐ後、2005年2月11日に、吉野家が「１日限定牛丼復活」をやってくれました。もちろんパパは食べに行ってきたわけですが…そんなイベントをやるって最初からわかってたら、あんな苦労をしてアメリカで食べてくることなかったのにー(^_^;)。でも、いい思い出になりましたけどね。
